一戸建てリフォームとデザイン

施主としての希望を詰め込んだ注文住宅として新築をした場合であっても、その後のライフサイクルの変化によって、使い勝手があまり良くはなくなってしまうということはあるものです。こうした場合、せっかくの注文住宅ではありますが、建て替えによって新たな間取りやデザインにあらためるということは、当然考えられるところです。
しかし、実際のところ、新築にはかなりの費用がかかるものですし、建築中は別の場所に仮住まいをしなければならず、かなりの手間がかかります。そこで、リフォームという手段によって、新築同様に住宅の内部をつくりかえるのが適当といえます。とりわけ、一戸建て住宅の場合には、マンションのような集合住宅とは違って、持ち主の意向をそのまま反映させることができますので、思い切ったリフォームが可能です。
たとえば、子供が大きくなって手狭に感じるためにリフォームに踏み切るということであれば、ベッドルームの一部に間仕切りをして、独立した子供部屋をつくるといったことが考えられます。この場合、学校への入学後の生活も想定して、壁面にスリムな収納スペースをもうけるといったデザインを採り入れると、教科書や部活動の道具、制服や運動着などの置き場に困るといったことがありません。
また、隣接の部屋とリビング、キッチンの間仕切りをとりはらって、一体化した広いスペースにするといった手もあります。その際には対面式キッチンのようなデザインのユニットを採り入れると、子供の姿をいつでも見守りながら調理のしたくができるといったメリットがあります。
いっぽう、子供が独立して夫婦だけの高齢世帯になったためにリフォームをするといった、逆のパターンもあり得ます。この場合ですが、たとえば洋室から畳敷きの和室にリフォームするといった、落ち着いた雰囲気のデザインへの変更というのもよいでしょう。リビングなどの一角を区切って書斎をもうけるなどすれば、趣味の時間を充実させることにも役立ちます。
また、高齢になれば屋内の移動だけでもたいへんな負担になるということを考えて、段差や階段をできるだけ解消するようなデザインにするといったリフォームも検討すべきでしょう。この場合、デザインの面では好みがわかれますが、床材にフローリングなどを用いた洋間にしたほうが、段差解消という目的にとっては適していることもあります。廊下や階段へじゃまにならない程度の手すりを設置するということも、あわせてすすめられるところです。